『貴婦人と一角獣』は、フランスのクリュニー中世美術館に収蔵されている6面のタピスリーの総称です。
全長22メートルもあり、1500年頃にパリか北フランス~フランドルにかけての地域で制作されたと考えられています。
タペスリーは、もとはブサック城というお城にありましたが、その価値に気づいたジョルジュ・サンドやメリメの働きかけによって国が買い上げ、クリュニー中世美術館におさめられました。

「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」「我が唯一の望み」の6枚に共通するモチーフは、貴婦人、侍女、一角獣、獅子、千花模様(ミルフルール)など。
私がこのタペスリーの存在を知ったのは、中学生の時に読んだリルケの「マルテの手記」に出てきたから。
そのときからいつか見てみたい、と思っていましたが、大学時代にヨーロッパを訪れた際、最後に訪れたパリで見ることができ、感激しました。
刺繍ができるミシンを買って、まず最初に縫ってみたいと思ったのは『貴婦人と一角獣』でした。
人物や一角獣は、私の持っているミシンのフープサイズにおさめるには大きすぎると感じたので、小動物+ミルフルールで作ることにしました。

まず選んだのは「味覚」のウサギ。
実は6つのタペスリーは、1つ1つ動物の表情や花に微妙な違いがあります。
私は「味覚」の表現が特に好きです。
このウサギのところは下半分がかなり褪色がひどく、元の色がわからない部分もありますが、ほかの部分を見て補いました。



